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2020.06.21 | トピックス
MTMとビスポークを融合した実験的試作ジャケットをご紹介
MTM(Made To Measure) と BESPOKE
この二つには大きな違いがあります。
この二つが融合することが出来ないものか?
MTMの利便性とビスポークのクオリティを融合出来ないものか?
様々な想いを巡らせ、少し前に実験的試作品としてこのジャケットを作るにいたりました。
七分仕立ての実験的試作ジャケット
1日だけ着用したので少々シワが入っていますが、ご容赦ください。
型紙製作 岩元
肩入れ前まで ミユキソーイングにて縫製
肩入れ、上衿製作、袖付け、釦穴かがり 岩元
型紙はビスポークで使うものと全く同じものを使用し、工場用に修正は加えておりません。
いつも胸のダーツは裾まで貫いているのですが、それも同じ仕様になっています。
着心地に直結する肩入れ、上衿、袖付けを手縫いで行うことにより、完全工場縫製とは違った雰囲気です。
でもビスポークとも少し違う雰囲気です。
強くカーブしたゴージや上衿をかける際に手まつりで縫い合わせたゴージラインは消え入るような優しい線になります。
フラワーホールももちろん手でかがっています。
試作品は実験的にカミ―チャ仕様にしてみましたが、もっと大胆にイセを入れてもよかったかなと。
衿裏に備えたヒゲはビスポークであれば必要があって備えるものですが、
今作では飾り的な意味合いが強いです。
衿芯には手でハ刺しもしてます。
こちらは衿の内側。
一枚衿で裏地を高くかぶせる方法を採用しています。
ここはビスポークと全く同じです。
そして着用状態。
MTMとビスポークの良さがうまく融合しているのではないかと自賛してみます。
フロント釦を外して。
裾の落ち方はいい感じです。
MTMでもビスポークでもそうですが、フロントカットが拝んだり開き過ぎたりするのはNGです。
個人的にはやや開き気味にするのが好きです。
デザイン的にフロントカットを大きく切り取るのではなく、型紙上でネック周りの操作をし
少しフロントカットが開くようにしています。
このあたりの話にご興味ある方は、店頭で説明させて頂きます。
最後に
ファーストサンプルにしてはまずまずの出来かなとは思いますが、毛芯の選定や型紙の修正が
少々必要です。
それと、あまりにもきれいにまとまり過ぎているのでセカンドサンプルはもう少しアクを強くする予定です。
店頭での販売開始まではもう少し時間がかかるかもしれませんが、うまくいけばそう遠くない時期に
販売出来るかもしれません。
MTMにも良い点・悪い点があり、ビスポークにも良い点・悪い点があります。
この二つを掛け合わせたモノ作りが出来ればお客様、私共、生産者にとってプラスになるのでは
ないかと考えています。
このファーストサンプルをご覧になりたい方がいらっしゃいましたら、店に持ってくるので
お気軽におしゃってください。
本日もご覧頂きありがとうございました。
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