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2020.10.01 | トピックス
想いを込めたジャケット 試作第2段 その2 サローネパルテンツァ 大阪
先日仮縫いをしたところまでご紹介させて頂きました。本日は一気に完成までをご紹介させて頂きます。
前回の記事はこちら『想いを込めたジャケット 試作第2段 その1 サローネパルテンツァ 大阪』
ではまずは肩入れからです。
前身と後身の肩線にはイセが入っています。これはMTM でもビスポークでも同じです。ただし、その分量は大きく違っていて倍ほどの差があることもしばしば。これは後身頃にイセを入れて肩の部分を前側に回す為のイセですが、多ければいいというものでもありません。生地によっては多すぎるとイセが入りきらずピリついてとても不細工なことになります。
写真のたわんでいる側が後身頃です。これを強制的に縮めて縫い合わせます。
肩入れが終わると次は上衿の製作です。まずは地衿を固定します。
続いて増し芯据え。
増し芯は今回はスレキを使用しておりますが、仕立てるモノやお客様のお好みに合わせて麻芯を据えることもあります。または増し芯無しで作る時もあります。
次は上衿の表地をかぶせていきます。
上の写真はかぶせる生地の横方向の糸を何本も抜いて横の地の目が通るようにした生地です。これを上衿の形に荒く裁ってクセ取りを施します。
これをかぶせていきます。いわゆる1枚衿というやつです。この時点で上衿の外側にくる部分は横の地の目が通っていますので、崩れないよう気を注意が必要です。
この横の地の目を通すことについては着心地には正直関係ないと思いますが、1つの美意識として私は取り入れています。格子柄などの場合は特に衿の柄が途切れずに形作れるので美しいなと。
上衿の完成です。
そして袖を手縫いでチクチク付けて最後は手縫いで穴かがりをして…
完成です。
マシンとハンドの融合を目指して開発中のこちらはまだしばらく商品展開するまでに時間はかかりますが、必ずいい服になると信念を持って開発に取り組んでいます。
ミシンであろうが、手縫いであろうが目指すところはお客様にお喜び頂ける服をご提供すること。
格好良く見え、着心地が良い服をご提供することです。
本日もご覧頂き誠にありがとうございました。
オーダースーツに関するご不明な点、ご質問事項がありましたらこちらからお問い合わせ下さい。
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