MIYUKI Journal

特集ジャーナル/記事/よみもの

Vol.12 MIYUKI CRAFTS SUITS - 四日市工場クラフツマンインタビュー –

MIYUKI CRAFTS SUITS(以下MCS)の要となる生地を作っている御幸毛織四日市工場。
今回は工場で働くスタッフ(クラフツマン)の皆さんに、どんな機械(工程)を担当されているのか?職場の良いところ、今後チャレンジしてみたい事などを伺いました。

①「オープン洗絨機」を担当されている戸谷さんに、お話を伺いました。

Q:こちらのオープン洗絨機の担当をされてどのくらい(年月)になりますか?

戸谷:おおよそ10年になります。

Q:オープン洗絨機とはどのような機械ですか?

戸谷:生地を開いた状態で天然石鹸を使って洗い、そのままたっぷりの水ですすぎます。
そうすることで、天然素材固有の心地よい感触のコシ・ヌメリ・ふくらみといった風合いを引き出します。

Q:稼働する際に気をつける事や、難しい所などはありますか?

戸谷:オープン洗絨機は、御幸の風合いづくりにおいて重要なポジションにある機械ですので、不調の早期発見やメンテナンスを怠らないことが重要と考えます。
反物を広げてシワを除去する目的の「巾出しバー」には、こだわりの木材(アサダの木)を使用しており、優しい手触りの反物に仕上げています。
この巾出しバーは木材のため、どうしても経年で削れていくので、在庫の確保が大切です。

Q:こちらのオープン洗絨機はメンテナンスをされているのですか?

戸谷:はい、メンテナンスしています。年に一回の頻度でメンテナンスしています。今回はロールの交換ですので、かなり大がかりなメンテナンスになっています。
中に入っているアサダの木の交換もしています。
アサダの木が中に3本入っているので、その3本はタイヤの交換と一緒で、ローテーションをしていくんです。1本ずつ変えていくことで、よく擦れるところ、擦れないところがあり、大体2年おきぐらいでローテーションをしていて、最後はもう新しいものに取り替えるという形で、5年から6年でワンサイクルさせています。

Q:四日市工場の良いところ、好きなところ、また今後チャレンジしてみたい事など教えていただけますか?

戸谷:工場内の従業員間の風通しは良いと感じます。
若手も意見を出し、熟練者も一緒になって作業に向き合えています。
今後に関しては、これまでは職人肌な部分がどうしても強く、「見て覚える」スタイルでマニュアルに落とし込めていない部分が多いので、そういったところをマニュアル化し、若手が即戦力になれる働き方にしていけたらと考えています。


ありがとうございました!

②「結反」を担当されている新美さんに、お話を伺いました。

Q:結反の担当をされてどのくらい(年月)になりますか?

新美:担当して約1年になります。
反物同士を縫って繋ぎ合わせる事を結反といいます。補修や中間補修といった工程から上がった生地は、反物同士がそれぞれ切れているので、縫い繋げて次の工程へ送り出します。
次の工程である蒸絨(じょうじゅう)機では、一度に何反もまとめて加工するため、縫い繋げる必要があるのです。

Q:結反する際に気をつける事や、難しい所などはありますか?

新美:気をつけないといけない所は、反物同士を繋げるときにまっすぐ縫わないと、蒸絨機に入った際に布目不良などの原因になるので、端を裂いてまっすぐきちんと縫うということに気をつけています。
最初は結構大変だったのですが、作業をこなしていくと慣れてきて、どんどん上達してきたのではないか、と感じています。

Q:四日市工場の良いところ、好きなところ、また今後チャレンジしてみたい事など教えていただけますか?

新美:年齢問わず話しやすく、他部署の方でも気さくに声を掛けてくれて雰囲気がいい職場です。今後は乾工程全体の機械を習得し、リーダーの業務などをチャレンジしていきたいです。


ありがとうございました!

③「連続フラットプレス」を担当されている平瀬さんにお話を伺いました。

Q:連続フラットプレスの担当をされてどのくらい(年月)になりますか?

平瀬:連続フラットプレスを担当して、20年位です。

Q:連続フラットプレスとはどのような工程をする機械になるのですか?

平瀬:ペーパー圧絨(あつじゅう)機と言いまして、機械の中には特殊な厚紙がセットされていて、その中を生地が行ったり来たり行ったり来たりしながら、油圧のシリンダーで圧力をかけることで、この機械独特のぬめりを出します。
例えば、うどんで言う所の「コシ」といったものが出てくるので、やっぱり連続フラットプレスに入れた生地と入れていない生地では明らかに全然違うものに仕上がります。

Q:稼働する際に気をつける事や、難しい所などはありますか?

平瀬:生地が折れないように細心の注意を払っています。
特にネーム(生地の端に巾1センチほどの帯)の入っている生地はつったり、折れやすかったりするので、注意しながら機械を運転しています。

Q:どのくらい時間がかかるのですか。

平瀬:一反というか1バッチ、MAX8反で台車に乗ってくるのですが、ゆっくり丁寧に進みますので、先頭が入って一番後ろが抜けるまで1時間ぐらいかかります。

Q:四日市工場の良いところ、好きなところ、また今後チャレンジしてみたい事など教えていただけますか?

平瀬:職場内の雰囲気がいいです。上司や若手と飲みにも行きます。
今後チャレンジしたい事は、若手の育成、技術の伝承です。


ありがとうございました!

④「補修」を担当されている岡山さんにお話を伺いました。

Q:補修の担当をされてどのくらい(年月)になりますか?

岡山:担当して約1年になります。工場では6年目になります。

Q:補修とはどのような作業をされているのですか?

岡山:補修工程では、名の通り生地の補修をしています。
経糸・緯糸が切れている部分を針で縫い合わせたり、糸の結び目を処理したり、織の品質確認も併せて行っています。
細かく繊細な作業の為、根気や器用さが求められる仕事で、毛織物事業には欠かせない重要な作業です。

Q:手首のサポーターは何のためのものですか?

岡山:右手が疲れて痛くなってしまうのを防ぐためです。まず針を使って目立つ赤い糸を通し、後から本当の糸を通していきます。
1日に20反(1反約50~60m) を裏表とチェックしますので、沢山目を使うため、目薬も絶対欠かせないです。

Q:四日市工場の良いところ、好きなところ、また今後チャレンジしてみたい事など教えていただけますか?

岡山:現場の上司・同僚と仲が良く、働きやすい職場です。プライベートな話もできて、気を遣わず楽しく仕事ができています。
今後は、後輩の育成に力を入れていきたいと考えています。
技術を伝承していくと同時に、一人一人に寄り添いコミュニケーションを取りながら良い職場づくりをしていきたいです。


ありがとうございました!


工場のクラフツマンphoto スナップ


MIYUKI CRAFTS SUITS で販売されているMIYUKI の生地は、沢山のクラフツマンの信念・技術によって完成されています。どのように作られているのか、一部ですがインタビューを通して若手からベテランまでのクラフツマン達の想いが皆様へ伝わりますと幸いです。


今までも、これからも、
愛せる服を。

MIYUKI ヴァーチャル工場見学
https://miyuki1905.com/vr/

MIYUKI PRODUCTS(テキスタイル&ガーメントブランド)
https://miyuki1905.com/products/