MIYUKI Journal

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Vol.2「MIYUKI CRAFTS SUITS」について(前編)

MIYUKI CRAFTS SUITS について深掘りしたお話をシリーズでお送りいたします。


まず前編では、MIYUKI CRAFTS SUITS(以下MCS)に深く関わっている、執行役員 開発部部長 兼モデリストグループ グループ長 の金子さん、MCS ディレクターの富山さん、そして広報グループ小森さんの3人でMCS についての対談を行いました。

小森:金子さんは執行役員 開発部 モデリストグループグループ長をされていますが、「モデリスト」というのは、どのようなお仕事なのですか?

金子:はい、「モデリスト」というのは、御幸毛織の持っているリソースを活用して、新しい「何か」を産み出し、事業の将来につなぐ仕事だと考えています。

狭義では服を作る縫製技術者、みたいな意味合いを想像する方が多いかと思うのですが、私自身が考える「モデリスト」は、もっと広く『御幸毛織の価値を産み出す』役割があると考えています。

産み出すものは最終的に、営業サイドや取引先様が求める「服」という商品なのですが、表向きは服を作る過程としての、デザイン発案、型紙の開発に始まって、それらをオーダー受注システムに組み込み、問題なく稼働するかをチェックしていく作業が軸となっています。時として合理化、時として上質化を目指した縫製技術の組み合わせや、新しいものに挑戦し、産み出すことができる工場力の底上げなどを考えて、根気よく試行錯誤するような仕事も、「モデリスト」の重要な役割だと考えています。

小森:「モデリスト」の仕事は、服を作る縫製技術面のみではなく、企画から、完成まで、工程の全てに関わる重要なお仕事なのですね。

小森:次に、富山さんはリテール販売グループ長、兼 MCS のディレクターをされていますが、普段はどのようなお仕事をされているのですか?

富山:はい、普段は店舗の企画、運営、管理、全体的なMD(マーチャンダイジング)など計画しています。

店舗の方は、東京日本橋店、札幌店、大阪店、東京はもう1 店舗、麻布店があり、全部で4店舗の管理・運営・企画を行っています。

企画の部分も携わっていますので、MCS としての特徴のある製品の企画、生地の方も、今後はMCS でしか手に入らない独自の生地企画にも着手しています。

それ以外には、SNS やWeb サイトの運営など、対外的な発信における管理・運営を行っています。

多岐にわたる部分が多く、御幸毛織としても唯一、直接お客様と接する場所でもあるので、商品の提供などは最大限の注意を払って仕事をしております。

小森:色々なことをされているのですね。

小森:MIYUKI CRAFTS SUITS は以前はサローネ・パルテンツァという名前でしたが、なぜ変わったのですか?

富山:2022年に前身のパルテンツァがブランド立ち上げから10年という節目と、御幸毛織がリブランドをして、「愛せる服を」という新しいタグラインの元、生まれ変わったという事もあり、御幸毛織の冠を活かした、新しいオーダースーツストアとして邁進していこう!という事で「MIYUKI CRAFTS SUITS」という名前になりました。

またCRAFTS の「S(複数形)」にもこだわりがあります。
どんな仕事でもそうだと思うのですが、仕事や工程というのは、その人単体では絶対に終わらないですよね。

例えば、店舗が注文したら、それを作る工場があり、その前には材料として生地を作る工場もある。どんな仕事でも、どの業界でもそうだと思いますが、必ず前後があって、バトンを渡しながら商品やサービスが生まれていると思います。

そこには、それぞれのプロがいて、店舗は販売のプロ、ものづくりですと作るプロがいる、お金を管理している経理もお金のプロ。御幸毛織ではそういった全社員の事をクラフツマンと表現していて、メンバーがみんなで1つの仕事をしているという意味で、CRAFTS、と複数形に表現しています。

小森:深いこだわりがあったのですね。

小森:MCS のHP が春からリニューアルされました。実際にお二人もモデルとして登場していただきましたが、改めてMCS のコンセプトを教えていただけますか?

富山:はい、大きなコンセプトとしては、「ビジネスクラス・サロン」というのが1つのコンセプトになっています。
お店に来ていただいているお客様の多くが、ホワイトカラーの方、とりわけ管理職をなされていらっしゃる方も多く、ビジネスクラスに相当するお客様を大変多くお迎えしております。
そういったお客様にとって、最高のおもてなしができるような空間と、また最高の品質をお届けすることができるショップコンセプトとして、MCS としては「ビジネスサロン」を掲げております。

小森:「ファーストクラス」ではなく、「ビジネスクラス」という所も、わかりやすいですね。手が全く届かない…ではなく、届きそうな憧れ、といった位置付けがしっくりきますね。

小森:他社のオーダースーツ店との違いや、MCS の特徴などを教えてください。

富山:最大の特徴は、「御幸毛織は元々テキスタイルメーカーである。」ということです。唯一国内で一貫生産ができるテキスタイルメーカーが、直接運営をしているオーダースーツストアであるということ。

もう1つ、紳士の社交場と言いますか、そういった場としてこの空間がご提供できればいいかな、と思っております。

テキスタイルメーカーのオーダースーツストアという事もありますので、企画から製造、販売まで当社で企画したものを直接お客様へお届けできるという事も特徴となっております。

小森:ありがとうございます。国内で一貫生産管理ができるという部分は、他にはない独自の強みになりますね。

小森:企業様向けに、外販対応なども行っているのですか?

富山:はい。大手ゼネコン、有名ゴルフクラブ、その他有名企業さまへ向けて、ユニフォームの対応や、福利厚生へ向けたオーダースーツのご提案、

また最近ですと、大学の方へ伺わせていただいて、成人式のスーツ、就職活動へ向けたスーツなど、若い世代から「ミユキ」を知って頂く活動を行っています。

小森:様々な外販対応をされているのですね。外販の依頼はお電話やHP からでよろしいでしょうか。

富山:そうですね。お得意先さまなどは、直接お店で問い合わせいただければと思います。

小森:ありがとうございます!


(中編へ続く…)