皆さんこんにちは。
ミユキ クラフツ・スーツ日本橋店がお送りする、スーツの豆知識ブログでございます。
最高級の素材のなかで“カシミア”は皆様ご周知だと思います。
最高級素材“カシミア”を上回る素材、
“ビキューナ”
日本ではビクーニャからとれた毛をビキューナといいます。
本日はそんな最高級素材”ビキューナ”について話していきたいと思います。
ビキューナとは
ビキューナはラクダ科ラマ属でございます。
ラクダです。
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ビキューナの生息地はエクアドルからアルゼンチンへかけての海抜6000m以上というアンデス山脈高地に生息しています。
富士山が海抜3776mということなので約倍の高さに生息しているということなので想像の範疇を超えています…。
しかし、この過酷な環境だからこそ美しくすべての人を魅了する毛が育つのです。
また
絶滅危惧種
としても有名な動物でもあります。
高価な理由の一つとして絶滅危惧種であるということがあげられますが一体なぜ絶滅危惧種になってしまったのでしょう?
個人的にはそんな高価に取引がされる毛を有する動物なのだから繁殖させて安定した供給を目指していくのが通常なのでは?と考えてしまうのですが皆様いかがでしょうか。
詳しく紐解いていきたいと思います。
絶滅危惧種となった原因
前項でビキューナの値段の高さの理由の一つである絶滅危惧種について触れてきました。
絶滅危惧種となった原因は何かと申しますと
“乱獲”
でございます。
ビキューナの茶色は黄金に近く、奥深くきらびやかな艶を醸しだし最高の柔らかさがあるといわれております。
その毛欲しさにこぞって乱獲しました。故に、個体数が減ってしまったのです。
1950年代頃は40万頭いたといわれておりますが、1960年代頃に入ると乱獲が始まり急激に個体数が減ってしまったそうです。(1万頭以下)
現在ではワシントン条約にて輸出禁止措置がとられていることに加えてペルー政府の保護プログラム下におかれております。
今は個体数保護のために管理されており、年々頭数も増えております。
このように高価の理由が隠れております。しかし、高価な理由はこれだけではありませんので引き続き解説していきます。
限られた剪毛
ビキューナの剪毛(毛を刈り取ること)はペルー政府の保護プログラム下で行われます。
剪毛は一個体2年に一度許されるのです。
そのうえ、剪毛時間も“5分”とかなり限られた時間内で行わなければなりません。
そして、年間で剪毛できる毛の量は500g程度しかないのです。
このように条件が厳しいのはビキューナのストレスを軽減するためです。
ここからもどれだけビキューナが大切にされているのかがわかりますね。
高価な理由としても剪毛の大変さがあるとのことです。
その繊維の質は如何程か?
ここまでは毛そのものの紹介よりもビキューナの背景に触れてきましたが、毛そのものの質をみていきたいと思います。
ビキューナの毛の太さは(毛の太さをミクロンといいます)7~14ミクロンといわれております。
こちらは様々な資料があり、中には7~18ミクロンともいわれておりますので一概には言えませんが、最高クラスの繊維といわれているアンゴラの毛と並ぶ最高クラスの繊維といえるでしょう。
なんと、かの有名なカシミアよりも繊維が細いといわれております。
また、細いだけではなく保湿性、柔軟性、光沢感に富み、最高の名にふさわしい繊維であります。
保湿性は極寒にも耐えられる強さを誇り、柔軟性においては繊維の細さからくるとろけるような肌さわり、光沢感は乱獲を促すような人々を魅了する光沢を醸し出しています。
ビキューナ服の値段
原料にビキューナを使用して作られているものはコートで400万円、マフラーで50万円など常軌を逸している値段です。
しかし、ここまでお読みいただいている皆様ならご納得いくのではないでしょうか。
毛がとれる量も決まっており、カシミアを超越する質を持っている繊維ですからまさに宝石級といっても過言ではありません。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は最高クラスの生地である“ビキューナ”について触れてきました。
調べてみると情報は数多くありますが、最高級ランクの繊維だということは間違いありません。
どこかでビキューナを見つけたらぜひ、お手に取ってその素晴らしさを体感していただきたいと思います。
本日も最後までご覧いただきありがとうございます。
それでは
ミユキのミサキでした。