皆さんこんにちは。
ミユキ クラフツ・スーツ日本橋店がお送りする、
スーツの豆知識ブログでございます。
噎せ返るような季節が過ぎ、過ごしやすい季節が近づいてきましたね。
ジャケット不要の時期が過ぎ、上下スーツの出番が来ました。
6月には雨の日の手入れの仕方と称して雨の日のスーツの手入れ方法をお伝えしてきました。
今回は、普段の手入れ方法の基礎をお伝えしていきたいと思います。
手入れにはブラシが必須
どこのサイトにも書いてありますが、共通するということはブラッシングは、それほど大切ということです。
ここでは、詳しく話してしまうとややこしくなってしまうので、簡単にご説明します。
生地というのはやや起毛しており、身体から発せられる水分や、空中の水分を取り込みます。そして、取り込んだ水気を発散させます。(ウールの復元性が良いというのは水分の発散作用が強いからと言われております。)
外出していると、ウール(生地)にチリやほこりが入り込み、起毛している毛が寝てしまいます。
このことから、ウール特有の水分の発散性、光沢が弱まってしまいます。そこで、ブラシが必要になるということです。
ブラッシングの前に
それでは、早速ブラッシングのやり方についてお伝えしていきます…。
と、危ないところでした、ブラッシングの前にお伝えしなければいけない必須項目がございました。
まずは、ハンガーです。
クリーニング屋さんなどで返却の際に一緒にいただける細いハンガーではなく、厚みのある、できれば木製の(プラスチックでも可)、前に湾曲してできているハンガーを使用ください。
これは、緻密に計算されて仕立てているスーツの型崩れ防止になります。
一旦、着用者に合わせた型が崩れてしまった場合、直すのは、難しい、または、不可能です。
なので、ハンガーにはお気を付けください。
ちなみに、木製と指定した理由は木製は吸湿性に富むため、スーツの湿気を取り除いてくれる効果があるためです。
ブラッシング実践
それでは、具体的なブラシのかけ方をお伝えします。
ハンガーにかけたスーツをブラッシングするときに意識して頂くポイントは2点です。
- 下から上に向かってかけ埃を取り除き、上から下に向かってかけ起毛させる。
- しっかりとスーツをおさえて、平らにする。
この2点さえ意識すればスーツを長持ちさせることができます。
ブラシをかけるときの力はそれほど必要ありません。
優しく、スナップをきかせて埃、チリを取りましょう。
スーツが波打ってしまっては、手入れにむれが出来てしまいます。
しっかりと空いた手でブラシと平行になるよう生地を平らにしてあげましょう。
ブラシの素材
ブラシの素材は馬毛、豚毛のどちらかになります。
馬毛は柔らかく、しなやかであり繊維を優しくなぞるようにブラッシングできるのが特徴です。
豚毛はしっかりとしており、コシがあるためしっかりとチリやほこりをはじきだします。
また、毛は馬毛と比べて硬めなので、繊細な繊維にはあまりお勧めできません。
ミユキ クラフツ・スーツ日本橋店ではハリコシがある豚毛ブラシを使用しております。
おわりに
ブラシは千差万別の為、自分が使用しやすいものを使用することが大切です。
一日1分ほどの手入れですがその少しの時間がスーツの寿命を1、2年と伸ばしてくれます。
また、一見面倒に思える作業も大人の嗜みとして思い、取り組めるかが大切だと個人的に考えております。
是非、今回のブログを参考にし手入れしてみてください。
以上
ミユキのミサキでした。